活用方法紹介「分度器やコンパスを使う問題に取り組もう」
活用方法紹介
「分度器やコンパスを使う問題に取り組もう」
学校名・名前
香川県立高松支援学校 佐野将大先生
香川県立高松支援学校
佐野将大先生
指導形態
個別指導
教科・単元名
数学「分度器やコンパスを使う問題に取り組もう」
活用のねらい
本授業は高等部3年の生徒に対して、小学部で学習した内容の復習として位置づけました。
対象生徒は、肢体不自由の障害のために、実物のコンパスを使いこなすことが困難です。しかし、小学生の頃は、コンパスを操作できるアプリケーションが無かったため、作図の問題を扱う際には、内容を調整したり、省略したりせざるを得ませんでした。
しかし、おたすけっちのコンパスや定規、分度器などのツールを使えば、これまでできなかった『自分で試行錯誤をしながらの作図』ができるのではないかと考えました。
また、小学生のときの作図をクリアすることだけを目標にするのではなく、数学的な問題に対して、自分で物を操作しながら自ら解き進めていくことに、手応えや喜びを感じてほしいと考えました。
活用の流れ
まず、教師がワークシートを作成し、その画像を生徒に共有しました。
生徒は、共有された画像をおたすけっちに背景として取り込んで活用しました。
授業の中では、教師が操作方法について見本を見せ、説明してから取り組むようにしました。また、ワークシートは、ステップアップしていくように初級・中級・上級の3枚を用意し、それぞれについて説明をするようにしました。
活用イメージ
- 【児童・生徒の様子】
- おたすけっちのコンパスや定規、分度器の使い方を説明をすると、すぐに理解し一生懸命に操作を行っていました。
生徒自身が試行錯誤をしながら問題を解いている様子が見られました。
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この実践のポイント
- コンパスを自分一人で使いこなすことが難しい子どもの場合、「半径がいつも等しくなる」という円の性質を、体験を通して理解することが難しくなります。その解決のためには、ぎこちなくても、しっかりと自分で動かして試行錯誤する時間を確保することが重要なポイントだと感じています。
ワークシートは初級・中級・上級の3種類を作成し、少しずつステップアップしていくように工夫しました。初級・中級の問題では、小学校で学習する問題を扱いましたが、上級の問題は大人になっても考えさせられる「クロスワードパズル」のようなイメージで、自分でやり切れる喜びを感じられることを願って課題を並べました。
授業の中で、生徒は「小学生のときに、おたすけっちがあったら良かった」と言っていました。仕方のないことではありますが、彼らが小学生であった時代に、こういったノートアプリで学びに向かうことができていれば、その頃から、図形の理解を深めることができたのではないかと感じています。