Point
  • 交流及び共同学習とは?
  • 特別支援学級における交流及び共同学習

交流及び共同学習とは?

「交流及び共同学習」とは、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が学校教育の一環として活動をともにすることです。

障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が触れ合い、共に活動する「交流及び共同学習」は、両者にとって、経験を深め、社会性を養い、豊かな人間性を育むとともに、お互いを尊重し合う大切さを学ぶ機会となるなど、大きな意義を有するものです。


2004年に改正された障害者基本法では、交流及び共同学習について、第16条(教育)の3項に、「国及び地方公共団体は,障害者である児童及び生徒と障害者でない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進しなければならない。」と明記しています。


その後、2012年に、中央教育審議会初等中等教育分科会から次のような報告がありました。

改正障害者基本法の理念に基づき、障害のある子どもと障害のない子どもが可能な限り共に学ぶことができるように配慮する観点から、交流及び共同学習を一層推進していくことが重要である。また、一部の自治体で実施している居住地校に副次的な籍を置くことについては、居住地域との結び付きを強め、居住地校との交流及び共同学習を推進する上で意義がある。居住地校交流を進めるに当たっては、幼児児童生徒の付き添いや時間割の調整等が課題であり、それらについて検討していく必要がある。また、特別支援学級と通常の学級との交流及び共同学習も一層進めていく必要がある。

「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」文部科学省(2012)より

これらを受けて、小学校学習指導要領(平成29年告示)に、「イ 他の小学校や,幼稚園,認定こども園,保育所,中学校,高等学校,特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設け,共に尊重し合いながら協働して生活していく態度を育むようにすること。(総則第5節2の②学校相互間の連携や交流)」と、交流及び共同学習の推進が明記されました(中学校も同様)。


このように、交流及び共同学習について、その重要性について理解するとともに、積極的に推進していくことが、法令等でも義務付けられるようになりました


「交流及び共同学習」を推進していくことは、障害のある児童生徒にとっては、学校卒業後においても、様々な人々と共に助け合って生きていく力となり、積極的な社会参加につながるとともに、障害のない児童生徒にとっても、障害のある人に自然に言葉をかけて手助けをしたり、積極的に支援を行ったりする行動や、人々の多様な在り方を理解し、障害のある人と共に支え合う意識の醸成につながります。

特別支援学級における交流及び共同学習

特別支援学級と通常の学級との間で行う「交流及び共同学習」には、以下の2つの意味合いがあり、両者は一体であることとして捉えることが大切です。

  1. 在籍児童生徒の実態等に応じて特定の教科などを交流学級(協力学級も呼称)で行い、教科等のねらいの達成を目的とする「共同学習」の意味合い
  2. 朝の会や給食、帰りの会、あるいは学年や学校行事を交流学級の児童生徒と一緒に行うことで、相互の触れ合いを通じて豊かな人間性を育むことを目的とする「交流」的な意味合い

交流及び共同学習を行う際は、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒がお互いを尊重し合う機会になるよう、特別支援学級担任と交流学級の担任との間で、日々の情報交換や連携が大切になります。

また、実施する具体的な内容は、個々の児童生徒の学年や障害の程度、状態によって異なりますので、交流学級の担任や教務主任と相談しながら進めるようにしてください。

教科学習における交流及び共同学習の事例

特別支援学級に在籍している児童生徒は、教科学習においても交流及び共同学習を行います。

その際、どの教科学習を「交流および共同学習」とするかは、個々の児童生徒に実施可能な、あるいは向いている教科を見極め、教育課程編成や週時程表にその時間を明記する必要があります(参考:特別支援学級の週時程表)。


以下の図は、仮想事例として特別支援学級の交流及び共同学習について図示したものです。

在籍児童生徒はあくまでも特別支援学級が母体となりますが、冒頭に説明した様々な法令等により、交流及び共同学習を推進することになっていますので、交流及び共同学習を行う際は、児童生徒の実態等において教科やその時間数も異なってきます。


したがって、教育課程編成や週時程表を作成する際には、児童生徒の実態を的確に把握し、「交流及び共同学習」で学ぶ児童生徒の時間と、その時間に特別支援学級で学ぶ児童生徒の学習内容など、様々な視点から総合的に判断していく必要があります

■監修・著
廣瀬由美子(ひろせ・ゆみこ)
明星大学教育学部教授